今回はこんな疑問に答えていきます。
初心者の人は何をやっても筋肉がつきますが、中級者になるとそうはいきません。
原因としては基礎知識が抜けていることや、感覚でトレーニングをしたりして自分を客観的に見れていないことだと思います。
しかし筋肉をつけるために何を勉強すれば良いのか分からない人が多いのではないのでしょうか?
この記事では筋トレの知識をつけるにはどんな分野を勉強していけば良いのかを解説していきます。
・筋トレの壁にぶち当たっている人
・筋トレを人に教えるとき
勉強すべき分野5選
1.スポーツ心理学
「いきなり心理学?」と思ったかもしれませんが、今回紹介する中で短い時間で最も成果をあげることができたのがこのスポーツ心理学でした。
理由としては、パフォーマンスと心が密接に結びついているからです。
こちらのメンタルトレーニングの本では以下のように書いてあります。
本番で実力を発揮する際、初心者は技術的要因による影響が大きいのに対して、アマチュアからプロになるにつれて、技術面で差をつけることが難しくなるため、メンタルの要因が大きくなってきます。
誰でもできる最新スポーツメンタルトレーニングp12
私自身もこれは非常に痛感しております。
では私がスポーツ心理学を学んでから何をしたかというと、ルーティンを確立するようになりました。
理由としては心と体の両方を最適化し、安定したパフォーマンスを上げるためです。
プレルーティン、イントラルーティン、ポストルーティンの3つに分けています。
・部位別ストレッチ(怪我防止のため)
・セットごとに筋トレした感想を必ずメモ
・セルフトーク
・深呼吸
・ストレッチ
・お風呂に入って疲労の回復
・反省点と次回やることの整理
今まではこういった細かいことを気にしていなかったのですが、レベルが上がるほど大事なんだなと痛感します。
筋トレの成果を出したい方は以下の本がとても参考になりますので、ぜひ読んでみてください。
2.栄養学
2つ目が栄養学です。
このようになんとなく知ったつもりでいるというのが怖い栄養学。
筋肉と一緒に脂肪を増やす増量であればオーバーカロリーにすれば良いだけなのであまり考えないで良いかもしれません。
しかし減量はそうはいきません。減量を成功させるなら深い栄養の知識が必要です。
失敗してから人は一生懸命学ぶというのが人間の性だとは思います。
しかし鉄血宰相と言われたビスマルクが言った「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉のように、あらかじめ減量について起こりうる失敗を予測しておくというのが重要だと思います。
その予測として栄養学の深い知識が非常に重要になってきます。
レベルが上がってきてサプリメントを使おうと思った時にも体に入った後のメカニズムを知ることで、より適切なタイミングで取ることができるようになります。
また今後生きていく上ではとても役に立つ知識なのでもっと突き詰めることをお勧めします。
3.レジスタンストレーニング
3番目に大事なのはレジスタンストレーニング(筋力トレーニンング)の知識です。
現在はyoutubeがあり以前より格段に勉強しやすくなりましたが、私個人としてはまだまだ大事な情報は普及されていないと感じます。
その理由は『トレーニングマガジン』などの雑誌を読んだり、ボディビルダーの方に直接パーソナルで指導を受けている経験があるからです。
ボディビルダーの方は指先の向き、指のどこで握るべきか、頭の向きなど、意識していてyoutubeを見るだけでは分からないような部分もたくさん知ることができました。
今後はどんどん競争が進んでいって、アメリカのように徐々に情報の質が高い動画が増えてくると思いますが、まだまだ突き詰めることができるのではないかと思います。
4.解剖学
あなたは得意な部位、苦手な部位がありますか?
きっとあると思います。
得意な部位は何をやっても発達すると思いますが、苦手な部位は何をやっても発達しませんよね。
しかし苦手な部位は解剖学を勉強することで解決できるかもしれません。
日本のトップボディビルダーの鈴木雅さんも以下のようにコメントしています。
トレーニングでは、よく「正しいフォーム」という言葉が使われます。
ですが、「正しいフォームってなんですか?」と聞いて、ちゃんと答えられる人は少ないです。「筋肉に効くフォーム」と答える人もいますが、「効く」というのはあくまでその人の感覚であって、理論ではないんです。
その「効く」理由を理解するには、解剖学的、力学などの知識が必要になってきます。
自分がやっているトレーニングに対して、現状に満足することなく、もっと効かせられる方法がないかと探求していくことが大事だと思っています。
私自身も胸を鍛えるのが非常に苦手で何年も苦労しました。
しかしもう一度解剖学を一から勉強した結果、だいぶ改善をすることができました。
5.運動生理学
運動生理学も筋肉を大きくしたいならば必須の知識になっていきます。
運動生理学とは一体なんなのかというと、「運動によって身体にどのような変化が生じるのか、その現象と仕組みについての基礎を理解する学問」です。
運動生理学を勉強して最近役に立ったことを紹介します。
私は減量を開始した時に普段取っているカロリーから1000kcalくらい落としました。
すると次の日には1kg以上体重が落ちました。
本来なら脂肪を落とすのに必要なカロリーはー7200kcalですから、そんな簡単に脂肪が落ちるはずがありません。
しかしそれは体内のグリコーゲンだということが勉強によって分かりました。
グリコーゲン1g当たり約2.7gの水分がともに筋に貯蔵される。したがって、約700gのグリコーゲンの貯蔵には約1.9gの水分増加を伴い、合わせて約2.6kgの体重増加が起こることになる。
入門運動生理学 第3版 p136
これが分かれば「なるほど」グリコーゲンがなくて水分が抜けたんだなと推測することができます。
このメカニズムが分かっていれば、炭水化物をとってグリコーゲンを補充してジムに行こう!と決断することができます。
そのままグリコーゲンが枯渇した状態でトレーニングに行けば、トレーニングの質が下がること間違いありません。
運動生理学はこのように目に見えないことのメカニズムを知ることができるので、人体の謎が少しは分かるようになります。
最後に
最後にもう一度まとめてます。
筋トレを本気で勉強するならば様々な知識が必要になります。
とても大変でしたが、私はこの5分野を学習し始めてから見える世界が変わりました。
また筋トレの課題が解決できるようになりましたし、人に教えることもできるようになりました。
この記事が参考になれば幸いです。
参考文献
Jared W.coburn Moh H.malek編『NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識』 第2版 全米ストレングス&コンディショニング協会